Thursday, November 19, 2009

平均律と対数

西洋楽器のほとんどは平均律で調律されています。一般的に平均律と言えば、1オクターブを同じ周波数比で12等分している音律のことを指します。具体的にどんな周波数比かというのは、ちょっとした計算ですぐに出せます。ヒントは1オクターブ上がると、周波数が2倍になるということです。

数学が得意な人はもうわかってると思いますが、答えは2の12乗根です。数値化したら1.059463...と続いていきます。だから平均律は、公比が2の12乗根の等比数列とも言えるわけです。

それを踏まえた上で、ピアノの鍵盤を思い出してください。ピアノの鍵盤で1オクターブ上がると2倍の周波数、2オクターブ上がると4倍、3オクターブで8倍.....と続いてくわけです。つまり対数目盛りになってるんですよ。数学の対数が普及するのが17世紀頃なんですが、音楽はそれより前の15世紀には対数の概念を実用化していたわけです。人間は比で考えるよりも差で考えた方が楽ですから、周波数の比で考える音楽と対数は親和性が高かったというわけです。これを知っていれば、数学を学ぶにも音楽を学ぶにも全然理解度が違うと思うんですけど、こういうことは高校では教えてくれないんですよね。

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