湯山玲子の『クラブカルチャー!』を読んでると、ああなるほどなと思うところがたくさん出てきます。その中の一つですが、坂本龍一がニューヨークに活動の拠点を移した理由に言及しているところがあります。
以下『クラブカルチャー!』からの引用です。
「日本は島国だから外からの文化情報がパッケージされた形でやたらと入ってくるので、表現者としては息が詰まる」
この部分を読んで、僕が長年感じていたのはこれだったのかと軽い衝撃を受けました。ハッと気付かされる瞬間ですね。日本はレコードや楽器に関しては世界で最も充実してるはずです。実際海外のミュージシャンが来日すると大量のCDやレコードを買っていきます。それはなぜかというと、日本のレコ屋にいくと世界中のレコードが手に入るからです。DJが来日してディスクユニオンに掘りに行ってびっくり仰天するっていう話はお約束ですからね。
島国に住む日本人は情報に対する飢えがあるんだと思います。香川で育った宇川直宏も、四国という隔離された島に住んでいたから情報に対する飢えをずっと抱えていた、みたいなことを造形芸大の学内報のインタビューで言ってました。みんな情報に飢えているのでたくさん情報は入ってくるけれども、どれもこちらが手を加える余地のない完成された状態で入ってくるということです。だからそっくりそのまま真似ることぐらいしか余地がないというか、少なくとも自分が世界のシーンの最前線に関わっているという意識は希薄だと思います。
ベルリンにいるときは、この分野に関しては今立ってるこの場所が世界の最先端だなってはっきり感じ取れました。自分が世界の最先端に立っていて、自分がそこに干渉している感覚があるんですよ。僕がそのとき感じたものと坂本龍一がニューヨークに求めたものはおそらく同じでしょう。
日本はゲーム・アニメ・マンガに関しては世界のトップを走ってるんだろうけど、僕はどれもスルーして成長しちゃって。日本に住んでるメリットを逃してるんだなと感じます。
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