作曲において一番重要なことは、余計なものを付け足さないことで、洗練されたものは見事に余計なものがないし、見事に美の本質を突いている。自分で適当にシーケンサーをいじって音を重ねていくと、だんだんわけがわからなくなってトラック数だけが増えていくという経験をしてはじめてわかったりする。いろんな職業の人と話をしてても、仕事において大事なことは、余計なことを排除する引き算に行き着くようだ。
マスタリング時のEQも欲しい帯域をブーストするんじゃなくて、いらない帯域をカットするのが基本だと思うから、そこらへんをわかってるかどうかが素人とプロを見分けるポイントかもしれない。
職業の選択が人生で一番大事な選択なような気がしてならない。特にドイツに来てからの友人を見ててそう思う。彼は音楽をしにドイツに行くと言っていたはずだけど、今では接客とアルコールのプロになっていた。話をしていても酒とサービスの話ばかりで音楽をほとんど聴かなくなっていて、あまり話しの通じる人がいないだけに僕としては少し残念。でも彼が新しいお酒を買ってきたときの嬉しそうな顔と、仕事を終えて僕に真剣に接客業について語るのを見ているとこれが彼の天職なんだと思う。
僕が一番気になるのは、職業がその人の行動をどの程度決めるのかってことだ。彼がもしベルリンのレコード店で働いていても同じ結果になったんだろうか。僕の予想では彼は僕に膨大なヴァイナルのコレクションを見せてくれてたと思うんだけど...
人生をコントロールしたいんだったら余計なことをしないほうがいいのかもしれないな。
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